INTERVIEW

eillが歌う、女の子がひとりで道を切り拓く物語。自身のポップな面が表れた初フル・アルバムが完成!

eillが歌う、女の子がひとりで道を切り拓く物語。自身のポップな面が表れた初フル・アルバムが完成!

 ときに儚げ、ときにキュート。甘く囁いたと思ったら、深みのあるブルージーな声色も響かせる魅惑のスモーキー・ヴォイスで多くのクリエイターを虜にするシンガー・ソングライターのeill。DATSのMONJOEやLUCKY TAPESの高橋海などの参加で話題を集めた昨年10月のデビュー・ミニ・アルバム『MAKUAKE』では洗練されたダンス・ミュージックを聴かせていたが、今回届いたファースト・フル・アルバム『SPOTLIGHT』は、自身にあるポップな面を打ち出す内容となった。

 「今回は〈イヤフォンで聴けるクラブ・ミュージック〉がコンセプト。クラブのようにたくさん人がいるところというよりは、ひとりひとりに聴かせるというイメージで曲を作っていきました。もともと自分から出てくるメロディーはポップ寄りのものが多いし、自分から素直に出てくるメロディーを活かしたんです」。

 デビュー以降、さまざまな場所でライヴを重ねるうちに、「誰かに届けたいっていう気持ちがどんどん強くなってきた」と語るeill。その思いは『SPOTLIGHT』というアルバム・タイトルにも込められている。

 「『MAKUAKE』のときは自分のことしか考えてなかったというか、〈自分で自分の幕を開けたいんだ!〉っていう気持ちが強かったんです。今でも自分の人生のスポットライトは自分で浴びにいくものだと思ってます。でも、ライヴをするうちに〈聴いてくれる人の心も照らしたい〉っていう思いがどんどん強くなってきた。そういう思いを込めてこのタイトルにしたんです」。

 本作は、あいみょんやOfficial髭男dismの編曲などを手掛ける宮田“レフティ”リョウと、バークリー音楽大学でジャズを学んだあとにヒップホップに傾倒した鍵盤奏者、nabeLTDを中心に制作。昨年8月発表の“So What??”のリミックスでeillを一早く起用したSKY-HIも、SHIMI(BUZZER BEATS)とのプロデュース・チーム、SOURCEKEYでラヴソングの“Ma boy”を手掛けている。

 「リリックは〈甘えん坊でわがままな女の子をテーマにしよう〉とSKY-HIさんに言われて、〈いいですね、得意です〉みたいな(笑)。この歌詞はメッチャ自分と重なります。恋愛すると完全に振り回す側です(笑)」。

 “Perfect Love”はドライな都会感と歌謡曲的な湿り気が共存したメロディーが絶品。eillのメロディーメイカーとしての恐るべき才能を改めて感じられる曲だ。それをnabeLTDとHaruhito Nishiの共同アレンジで竹内まりや&山下達郎コンビを連想するようなシティー・ポップに仕立て上げていて、新境地も切り拓いている。

 「雨が憂鬱で本当に嫌いなんです。なのに今年の夏はメッチャ雨が降ってた印象があって。こういう雨の日でも聴きたくなるラヴソングを作ろうと思って書きました」。

 歌詞は、恋の幕引きを突然告げられて戸惑いを隠せない女性が主人公。でも、だからこそ、この恋をパーフェクトなまま終わらせるんだと意地を張る。

 「私の性格がそっちなんですよね。メソメソする感じじゃなくて、〈んじゃ、いいよ〉みたいな。他の恋愛の曲も、基本的に切ない、悲しいってならない。負けたくない精神があるっぽいです」。

 ソフト・フォーカスで撮られたこれまでのヴィジュアルから彼女にふんわりしたイメージを持つ人も多いかもしれないが、実はeillは負けん気が強く、〈自分〉をはっきり持っている女性だ。

 「〈〇〇でいい〉は嫌なんです。〈〇〇がいい〉じゃないと納得できない。自分の中で〈で〉じゃなくて〈が〉で終わらないと納得いかないところはあります」。

 芯の強さを武器に彼女は今後、同性からの人気をどんどん集めていく気がする。

 「女の子がひとりで道を切り拓いていく。人の手を借りないで自分の人生を歩んでいくっていう姿勢は、デビュー曲の“MAKUAKE”から変わってないんです。人それぞれ、悩みって日頃たくさんあるじゃないですか。バイトに行きたくないとか学校を辞めたいとか。そういう悩みをちょっとでも解消したい。私の曲を明日の元気の源にしてくれる人が増えてくれたらいいなって思ってるんです」。

 


eill
東京出身のシンガー・ソングライター。K-Popやソウル、R&Bにのめりこむ小中学生時代を過ごし、15歳からジャズ・バーで歌いはじめる。同時にPCで作曲も開始。10代より清水翔太のコーラスやPAELLAS、SKY-HI作品へ客演で参加する。2017年12月に韓国のRheehab、Oceanと制作した音源“721”をSoundCloudに公開。2018年6月に“MAKUAKE”、7月に“HUSH”と配信シングルを立て続け、10月には初のミニ・アルバム『MAKUAKE』を発表する。“20”“Succubus”の先行配信、Kvi Babaをフィーチャーした“Succubus”のgrooveman Spotによるリミックス発表を経て、11月6日にファースト・フル・アルバム『SPOTLIGHT』(SPACE SHOWER)をリリースする予定。

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