今回は80回ということで(?)ひさびさの手前味噌コーナー。今回はディレクションした1作と実際に参加した作品の2つをご紹介。フィジカルで出る仕事は貴重になりつつありますが……

dj newtown WEST MEMBERS HIHATT(2019)

 激烈カット・アップ職人ニュータウン君の復活・活動11周年アルバムがいろいろあって弊社ハイハットのレーベル部門から晴れてリリース。すでに配信中ですがフィジカルはLPで。

 今作は私の過去楽曲を彼がサンプリング、ズタズタに切り刻んで再構築、1枚の新しいアルバムにまで昇華してしまったという世界でも類を見ないコンセプト盤。もともとJ-POPなどをクラブ・エディットしていた彼がいつしかJ-POPのレールに乗っかった私の作品をエディットすることになるとは、数奇な運命を感じます。

 弊レーベルのアーティストのリリースではありますが、サンプリングのためにはクリアランスが必要……ということでワーナーミュージックさまにも然るべき額をお支払いして完全合法でのサンプリングを実現。ちなみに本当は10周年アルバムとしてのリリース予定でしたがこの諸般のクリアランスなどで11周年に予定を変更、気合の1枚となっています。

 一人のアーティストの楽曲だけをサンプリングしリミックスではなく別の楽曲として全く違う形に作り変えてしまったアルバムを自分は過去に知りません。バウンシーなハウスに生まれ変わった「WHA」、別バージョンの別の人間「BET」、さらにポジティブな「POS」、さらにエクステンドでフルパワーな「SOW」と原曲超え連発。自分の曲は無感情に切り刻まれてるくらいがちょうど良いですね。

 

CHEMISTRY CHEMISTRY ソニー(2019)

こちらは5年ぶりの再始動。そんなアルバムのド頭「Get Together Again」にトラック提供で参加させていただきました。私によるブギー風味のトラックに作詞は松尾KC潔氏とケミストリーのご両人、トップラインに2人を松尾氏と共に支え続ける和田氏。ド真ん中の布陣に参加させていただいて現実味が全然無かったです……。

 


tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。自身の作品リリースのほか、iri、土岐麻子、中島愛、鈴木京香、向井太一、大比良瑞希、TENDRE、平井堅らの楽曲を手掛け、自身名義では〈うんこミュージアムTOKYO〉の公式テーマ曲“生きる・愛する・うんこする”と、コートジボワールのラッパーのDEFTYを迎えた“Keep on Lovin' You REMIX”も好評配信中! なお、m-floのニュー・アルバム『KYO』(rhythm zone)に付くin the blue shirtのミックスCDには“been soon long(tofubeats remix)”も使用されています。その他の最新情報は〈tofubeats.com〉にて!