13年12月29日——Tomato n' Pine(通称:トマパイ)の散開からちょうど1年後にあたるその日、そのメンバーだったHINAを含む新ユニットの始動が告知され、YouTubeでは初期トマパイを彷彿とさせるスウェディッシュ・テイストの新曲“Sleeping In Your Car”(公開時点ではタイトル未定)がダイジェストでアップされた。

【参考動画】Faint★Starのニュー・シングル“koboreteshimattamizunoyouni ”収録曲
“Sleeping In Your Car”

 

 〈アイドル〉というエクスキューズを抜きに、ハイセンスなポップスを嗜好するリスナーから絶大な支持を集めたトマパイ。傑作となった最初で最後のアルバム『PS4U』を発表後、半年余りで散開していっただけに、焼き付けられた残り香がまだ消えないというファンも少なくないだろう。

「それぞれやりたい道が見つかって〈散開〉ということになったんですけど、私は音楽を続けたいっていう気持ちがあったので、舞台のお仕事とかもしながら、ヴォーカルのレッスンもずっとやっていたんです。12月にYURIAちゃんと出会って……」(HINA)。

「私はモデルと舞台の仕事を中心にやってきて、歌はずっと好きでしたし、仕事にできたらいいなあって漠然と思ってはいたんですけど、ごくフツーの〈歌うのが好きな女の子〉という感じで。それで、去年の夏に初めて歌のオーディションを受けて、その時はHINAちゃんとの2人組だっていうこともまだ知らされてなくて……“Sleeping In Your Car”も合格した後にひとりでレコーディングしたんです」(YURIA)。

「初めて顔を合わせたのはMV公開の2週間ぐらい前で。でも、会った次の日にはいっしょに美容室行ったり」(HINA)。

「ネイルとかもいっしょにして。その時にたくさんおしゃべりをして、2日後にやった撮影の時は和気あいあいでしたね」(YURIA)。

Faint★Star koboreteshimattamizunoyouni Faint Star Tokyo(2014)

 ロングの黒髪とスラリとしたプロポーションがチャーミングなHINAとYURIA。最強レヴェルでビューティーなこの2人――Faint★Starを総合プロデュースするのは、トマパイと同じくagehasprings。ようやく届けられたデビュー・シングル“koboreteshimattamizunoyouni”には、90年代的キーワードを散りばめたアーバンダンス・ポップのタイトル・チューンをはじめ、前述の“Sleeping In Your Car”、HINA好みのハードなギターとシンセ・サウンドが煌びやかに交錯するエモーショナルなポップ・ナンバー“レ・ミ・ラ”、レトロ・モダンでホットなサマー・ソング“スーパー・サマー・ワンダー”の4曲が収められている。

 「やはり、どういう楽曲になるんだろうって、ワクワクしました。いただいた4曲は全部テイストが違って、歌詞だったり、メロディーの雰囲気だったり、トマパイと比べるとちょっとオトナな感じがしますね。入り込んで歌わないといけないとか、難しい曲もあって、トマパイの時よりもグンとハードルが上がった気がしました」(HINA)。

「オトナでカッコイイ曲が多いよね。わりと等身大だし、最近は家でもFaint★Starの曲ばっかりずっと聴いてる感じなんですけど、ぜんぜん飽きないし、心地いいんです」(YURIA)。

 来るTIFにもさっそく出場を果たすふたりだが、「まずはFaint★Starっていう名前だけでも覚えて帰っていただけるように、良いパフォーマンスをしたいですね」(HINA)と謙虚。ちなみにこのFaint★Starという名の由来は「星のようにいろんな場所から見られる、誰からでも見える存在でいたいっていう意味での〈★Star〉なんですけど、まだ駆け出しなので〈Faint〉が付いて」(YURIA)ということだが、彼女たちの楽曲はこの初作においてすでに、フェイントどころか効き目のある一打。言ってみりゃボディー・ブローだ。

【参考動画】Faint★Starのニュー・シングル“koboreteshimattamizunoyouni ”収録曲“レ・ミ・ラ”