日本の皆様、お暑いなかどのようにお過ごしでしょうか。
ロンドンもだいぶ、暑くなってまいりました。今年は例年に比べて気温も高く、天気も良好。町ゆく人々も心なしか、いつもより心優しく感じられます。筆者も夜分〈日本の夜の寂しさ感〉を楽しんでおります。

前回担当のこうへい君も申しておりましたが、ずっとツアーで世界を回っておりますと時系列がだいぶおかしなことになってまいります。

僕がいっしょにMainlinerというバンドをやらせていただいている河端一さんはデジタルカメラのことを〈記憶の外付けハードディスク〉と呼ばれるのですが、僕もいただいたiPhone 4で撮影した写真を駆使し、自分の記憶媒体のデフラグを試みてみようかと思います。

 

【NIGHT OF THE STICK MEN】

今回の記憶は、6月末にCafe Otoでメンバー全員のソロ・ステージを行った〈FAR EAST ELECTRIC PSYCHEDELIC AND CAFE OTO PRESENTS 'NIGHT OF THE STICK MEN'〉というイヴェントから始まります。実際、自分のなかで7月中に行ったと誤認識しておりました、のっけからなんとも危なっかしい。

今回でもう4、5回目になるであろうBO NINGENメンバー全員のソロ公演。いつも出順に悩みます。公平なるジャンケンの結果、今回はこのような順番に。

ファースト:Yuki

 

 

セカンド:Mon-chan

 

 

サード:Kohhei

 

 

そして最後に筆者

 

 

BO NINGENのメンバーはそれぞれ別プロジェクトでのライヴやサポートなども多いので、各メンバーの演奏をお客さんの立場として観ることも多いのですが、ソロのライヴは個人の人間性、音楽性も含めた諸々がバンドのそれ以上に曝け出される性質上、観るのが、そして自分も観てもらうのが、とてもおもしろいのです。

個人の課外活動で得たものをバンドに持ち帰るというのは意外と多いことでして、逆に自分が気付かなかったところを見つけてもらえたりします。前作『Line The Wall』収録の“夏の匂い”は、僕のソロで演奏していた曲をバンドでも演奏してみよう、となった曲なので良い例ですね。以上の理由から、メンバー全員ソロ公演、毎回僕自身もとても楽しみなのです。

前回メンバー全員がソロを行ったのは、記憶が正しければ去年の夏、大阪の萬福寺でのライヴだと思うので、およそ1年ぶり。パフォーマンスは相変わらず4人4色ながらも各自のいろいろな変化を垣間見ることができ、個人的には各自がいままででいちばん充実したパフォーマンスができていた印象。やはり、この人たちとバンドやってて良かったと、客の目線からも思えるのは幸せなことです。

最後はお客様のご要望にお答えして、メンバー全員で2曲ほど。筆者はベースを弾かず、ヴォーカル、そしてソロで使用したリズム・マシーンシンセを使用しての変則BO NINGENセット。

 

 

【BRITISH SUMMER TIME】

さて月を跨ぎまして7月のBO NINGENとしての活動は、ブラック・サバスがヘッドライナーを務める〈ブリティッシュ・サマー・タイム〉という、ロンドンはハイド・パークにて行われたフェスティヴァルへの出演から始まりました。

ハイド・パークに到着したわれわれ

 

 

この日は〈ブリティッシュ・サマー・タイム〉改め〈サバス・タイム〉。物販のTシャツ・セクションが真っ黒! 写真を確認したら漆黒に染まっていくナイスミドルのセクシー・ショットが写っていました。

 

 

まずは〈コーチェラ〉に引き続き、モーターヘッドを拝ませていただく。
ド直球でここまでカッコいいバンドが他にいるでしょうか。

 

 

その後、フェイス・ノー・モアの演奏をバックに自分たちが演奏するステージへ。僕たちはテント・ステージだったため、入場制限がかかってパンパン。ステージ上は結構シビアな酸素不足で何度もクラクラきましたが、お客さんの熱量もそのぶん半端なく、とても良い演奏ができました。

 

 

そして酸欠も治ってきたところで、大トリのブラック・サバスを観にメイン・ステージへ。

 

 

僕個人、初めてのブラック・サバス体験だったので、オリジナル・メンバー(現在はドラマーだけサポート)や全盛期のライヴを観た方と意見は変わってしまうかもしれません。ただ僕の耳、目には、あの歳にしてオーラと狂気を出し続ける、とても刺激的なリヴィング・レジェンドに映りました。少なくとも、楽曲内で〈リフ〉という概念を使うミュージシャンは絶対に観ておくべきだと思います。

【参考動画】ブラック・サバス“Iron Man” 2005年のパフォーマンス映像

 

なんて無理矢理言葉を広げてみましたが、単純に格好良かったんです。筆者がプロレス・オタク全盛期だった中学時代、 ロード・ウォリアーズのテーマ曲として聴きまくった“Iron Man”では無意識に全力で踊り狂ってしまいました。あの曲、ダンス・ミュージックですよ。

花火と共に、感動のエンディング。