汚職政治家を捕まえるためFBIが捜査に実際の天才詐欺師を使ったという実話を基にした映画である。豪華キャストの演技合戦による騙し合い! そして最後に騙される私たち! 確かに現代版『スティング』のような映画である。ただ、映画自体は、ウソとホントが二転三転するというより、ウソの中にホントがあったり、ホントの中にウソがあったり、ウソを信じたいホントがあったりと、ウソとホントの入り組んだ世界に生きる人間の可笑しみと哀しみを描いた映画のように見える。複雑な味わいを華麗な手捌きで料理したのは『世界でひとつのプレイブック』のデヴィッド・O・ラッセルというホンモノだ。