COLUMN

ATARI TEENAGE RIOT 『Reset』

リセットする前にこれまでの歩みを確認せよ!

ATARI TEENAGE RIOT Reset DHR/BEAT(2014)

 ATRのヒストリーとは、すなわちアレック・エンパイアの歴史であり、また彼の生き様でもある。ドイツのベルリンで生まれ、今年5月に42歳になるアレックは10歳から音楽に興味を持ちはじめた。パンク・ロック、メタル、ヒップホップ、テクノと幅広いジャンルにのめり込むと同時に、社会活動家だった父親の影響でストイックな思想も養っていく。アレックの名を世界に轟かせたのはATRの結成と、自主レーベル、DHRの設立だった。95年にATRとして『1995』(後に『Delete Yourself!』としてリイシュー)でアルバム・デビューを飾るや、本文にも記述した独自性の強いサウンドと痛烈な歌詞で、アンダーグラウンドを中心に注目されることに。時代が音楽シーンに変革を求めていたこともあり、それまでになかったタイプのサウンド・スタイルへの関心が特に強かったという背景も手伝って、ATRは97年の2作目『The Future Of War』、99年の3作目『60 Second Wipe Out』と作品を重ねるたびに人気を高め、世界規模でファン・ベースを強固なものとした。3作目はその絶頂期の一枚で、鬼気迫るような緊張感に包まれた力作だ。しかし、2001年にカール・クラック(MC)が急逝。アレックは「カールなくしてバンド存続はあり得ない」との声明を残し、グループを解散した。

 その後、彼はATR結成前からやっていたソロ活動に軸足を移し、『Intelligence And Sacrifice』(2001年)、『Futurist』(2005年)、『The Golden Foretaste Of Heaven』(2007年)を発表する。バンド時に比べるとソロ音源の仕上がりは総じてマニアック。特に2枚組の『Intelligence And Sacrifice』はエレクトロニカ色の強いインスト曲が果てしなく続くという、ある意味でファンにとって聴くのに覚悟が必要な作品だ。そして2010年、アレックいわく「いくつかの偶然が重なって」、ATRは再結成する。そこで登場したのが、『Is This Hyperreal?』。現行ベース音楽にアプローチしつつ、かつての〈ATRらしさ〉を完全に取り戻した会心作と言えよう。新作と併せて、これまでの作品も改めてチェックしておきたい。

 

▼関連作品

左から、アタリ・ティーンエイジ・ライオットの95年作『Delete Yourself!』、同97年作『The Future Of War』、同99年作『60 Second Wipe Out』、アレック・エンパイアの2005年作『Futurist』(すべてDHR)、同2007年作『The Golden Foretaste Of Heaven』(Eat Your Heart Out)、アタリ・ティーンエイジ・ライオットの2011年作『Is This Hyperreal?』(DHR)

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