これほどまでに待望という言葉の似合う人も珍しい。彼の名はTeddyLoid。2008年に弱冠18歳でMIYAVIの世界ツアーのDJに抜擢され、2009年にはm-flo☆Taku Takahashiが主宰するTCY Recordingsに参加。2011年に柴咲コウDECO*27galaxias!を始動させ、近年もMEGYun*chiらへの曲提供、ももいろクローバーZの楽曲アレンジなどで活躍していることから、その名に見覚えのある人も多いはずだ。 

TeddyLoid UNDER THE BLACK MOON EVIL LINE(2014)

 そんな彼が初のCD作品『UNDER THE BLACK MOON』を発表する。これは彼が昨年から掲げる新たなコンセプト〈BLACK MOON RISING〉を表現した作品であり、9月に登場を控える初アルバム『BLACK MOON RISING』の序章にあたるもの。月の裏側に幽閉されたテディ少年からのメッセージを楽曲化するというSF的な設定は、原曲の不穏なムードはそのままにサイバー化したローリング・ストーンズのカヴァー“2000光年のかなたに”はもちろん、クラシックの意匠を採り入れたゴシック・エレクトロブレイクボットに通じるディスコ路線、直球のアッパーEDMという、先にWEBでフリー配信された〈BLACK MOON RISING〉シリーズの3曲にも息づいている。そして彼自身が歌う新曲“FOREVER LOVE”は、ロマンスの香りが漂う美メロにバンギンなビートをぶつけた、フレンチ・エレクトロの熱狂を思い出させる1曲。その未来的なフォルムを湛えた楽曲群は月を飛び越え、幾千光年も彼方へと享楽を届けてくれそうだ。果たして黒い月が昇った後に何が起こるのか? 震えて待て!

 

▼TeddyLoidの関連作品を一部紹介

左から、galaxias!の2011年作『galaxias!』(ユニバーサル)、TEMPURA KIDZの2014年のカヴァー集『みんなのだんすうた』(ソニー)、SuGの2014年のシングル“B.A.B.Y.”(ポニーキャニオン)
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