Jマスキスと言えばやはりダイナソーJr。そしてダイナソーと言えば90年代のグランジ/オルタナ人気を牽引した存在としてお馴染みですが、ここ最近、その時代のムードを受け継いだ若手が勢い付いています。筆頭はクリーヴランド発のクラウド・ナッシングス。粗削りなギター音、ぬぼ~っとした佇まい、良い意味での小汚さと、三拍子揃った頼もしいダイナソー・チルドレンですね。

クラウド・ナッシングスの2014年作『Here And Nowhere Else』収録曲“Psychic Trauma”

 また、ビルト・トゥ・スピル(メンバーがマスキスに特製ペダルを作ったことも有名!)がエモを通過してグランジに回帰したみたいな風情のNYに住むシンバルズ・イート・ギターズも、表題からして90s感ムンムンなニュー・アルバム『Lose』を発表したばかりで、昨今のリヴァイヴァルと共振するサウンドを鳴らしています。

シンバルズ・イート・ギターズの2014年作『Lose』収録曲“Jackson”

 さらにサブ・ポップに在籍するメッツ、フガジのメンバー名から曲タイトルを拝借したこともあるグレイズ、〈ポスト・ホール〉などと囁かれているホワイト・ラングら、カナダにもグランジ道を歩むバンドが多い印象です。

 一方、大西洋を挿んだUK勢だって負けていません。初期ニルヴァーナっぽい雰囲気を醸すウィッチーズ(今年に入ってクラウド・ナッシングス&メッツとUSツアーを敢行)や、ヴァセリンズと同じグラスゴー発のハニーブラッドなどが活きの良い轟音を放出中。ピクシーズにガイデッド・バイ・ヴォイシズ、そしてもちろんマスキスといった往時の代表選手が続々と作品を発表していることも手伝って、今後ますます大きなムーヴメントになっていくことでしょう。

ハニーブラッドの2014年作『Honeyblood』収録曲“Killer Bangs”

 

▼関連作品

左から、クラウド・ナッシングスの2014年作『Here And Nowhere Else』(Carpark)、シンバルズ・イート・ギターズのニュー・アルバム『Lose』(Barsuk/Pヴァイン)、ホワイト・ラングの2014年作『Deep Fantasy』(Domino)、ハニーブラッドのニュー・アルバム『Honeyblood』(Fat Cat/インパートメント)、ピクシーズの2014年作『Indie Cindy』(Pixiesmusic/PIAS)
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