1977年頃録音。リコルディ原盤のマリア・ティーポによるショパン:バラードが復刻された。その人気に反して彼女の録音は決して多くはないし、活字資料も極めて少ない。その中には「ナポリのホロヴィッツ」などという異名も見受けられる。今は後進の指導に重きをおいているようで、ルケシーニといった実力あるピアニストたちを育てている。さて、その演奏はと言うと、とても詩情溢れていてフォルテはとても大胆で力強い。第1番の燃えるようなコーダは彼女の弾くモーツァルトバッハに馴れ親しんだ耳にはとても斬新である。第2番の静と動の対比も非常に劇的。 

【参考音源】マリア・ティーポの演奏によるショパン作曲“ノクターン op.62 no.2”