現代の歌姫アデルの伴奏も務める(!)イギリスの奇才ピアニスト、ニール・カウリーの最新作にして初の国内盤! ポップで人懐っこいメロディがこの方の持ち味ですが、本作はそこから空間的でアブストラクトなアプローチへと傾倒、クラシック音楽の影響が色濃い構成的な音楽へと深化を遂げました。ポジとネガがいみじくも混じり合う音楽は一聴して内省的、少し難しく聴こえなくもないのですが…繰り返すたびに音楽が徐々に開きだし、身体の動作の一部になっていく̶̶そんな希有な「経験」をもたらす美しきアンサンブルとハーモニーの調和がここにはあります。一生の愛聴盤になり得る傑作。