COLUMN

Chara×韻シスト “I don't know”

変わることなくスウィートな煌めきを放つディーヴァと百戦錬磨のヒップホップ・バンドが、お互いのソウルを交歓した夢のコラボ!

Chara×韻シスト “I don't know”

 今年5月の〈GREENROOM FESTIVAL'14〉を皮切りに、〈頂 ITADAKI 2014〉〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014〉といった大型フェスに登場して話題をさらったChara×韻シストBAND。そもそもCharaが2013年に発表したセルフ・カヴァー集『JEWEL』にて、韻シストが“Junior Sweet”の編曲/演奏を担当したことが縁となって実現したこのコラボ。そのまま今夏にはツアーも実施するほどの相思相愛ぶりを見せているわけだが、その理由はChara×韻シスト名義でリリースされるこのたびのスペシャル・シングル“I don't know”にもしっかりと刻まれている。

Chara×韻シスト I don't know TOWER RECORDS(2014)

 あの、猫のように気ままで愛らしいウィスパリング・ヴォイスに、ミニー・リパートンリンダ・ルイスらからの影響が見て取れるように、Charaの音楽にはソウルファンクといったブラック・ミュージックの下地があるのは衆知の事実。モータウン調のビートが弾む“あたしなんで抱きしめたいんだろう?”(94年)をはじめ、レヴォリューションを率いていた時期のプリンスを彷彿させる極彩色のポップ・ソウルが眩しい初期の楽曲はもちろん、近年も一時期バンド・メンバーだったSWING-O a.k.a. 45との絡みや、名ドラマーにして歌やビートメイクもこなすマルチ・プレイヤーのmabanuaと共同制作した2011年のアルバム『Dark Candy』など、端々で蜜のようにスウィートなソウル・テイストを覗かせてきた。

 そんな彼女のシルキーなシンガーとしての魅力を改めて発見させてくれるのが、韻シストがシックな装いでエスコートするコラボ曲“I don't know”だ。TAKU(ギター)、SHYOU(ベース)、TAROW-ONE(ドラムス)の韻シストBAND組が叩き出す、黄昏時の甘く切ない空気を思い起こさせるレイドバックしたグルーヴに、BASIサッコンの2MCによる力みなく転がるラップとCharaのスムースな歌声が溶け合い、時が経つのも忘れるほどの心地良さでゆっくりと酔わせてくれる。忙しい日々のなかでふと感じる街角の匂い、何となく思い出す昔の恋人との時間、感傷を胸に秘めた大人にこそグッとくるであろう、ビターなリリックも心に沁みる。

 また、シングルのカップリングには、韻シストによるシカゴ・ソウル・マナーの高らかなホーンも勇ましいファンキーなラップ・チューン“On&On”、ジャジーな哀感を湛えた韻シストBANDの“Just wanna know”などを収録。生演奏を軸に据えたヒップホップ・バンドとして15年以上活動してきた彼らの粋なファンクネスを存分に堪能することができる。

 その歌声の記名性の高さゆえか、ここ最近もTK凛として時雨)からベースメント・ジャックスまで、多彩なアーティストの作品に参加を請われるCharaだが、冷静と情熱の間をたゆたい、寡黙にして饒舌なグルーヴを有する韻シストとのセッションは、彼女自身のソウル・ミュージックというルーツがハッキリと刻み込まれた快作となっている。願わくば、この魂の交歓が今後も続かんことを。

 

▼Charaの近作

左から、2011年作『Dark Candy』(ユニバーサル)、2012年作『Cocoon』、2013年のセルフ・カヴァー集『JEWEL』(共にキューン)
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▼Charaが参加した近作を一部紹介

左から、2014年のbloodthirsty butchersのトリビュート盤『Yes, We Love butchers ~Tribute to bloodthirsty butchers~ Night Walking』(クラウン)、TK from 凛として時雨の2014年作『Fantastic Magic』(ソニー)、ベースメント・ジャックスの2014年作『Junto』(Atlantic Jaxx/HOSTESS)
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 ここでは韻シストの近年の関連作を紹介。結成15周年イヤーの2013年に現時点の最新アルバムとなる5作目『HIPSTORY』(LIL FARM)で歌も交えたヒップな新味を提示した彼ら。その音楽面を支える韻シストBANDも、同年に初作『Rest of life』(同)を発表しました。彼らの演奏はCOMA-CHIの楽曲でも起用されているほか、最近ではタケウチカズタケの最新作『UNDER THE WILLOW -BLEND-』(42-music)にも参加してます。また、MCのBASIはソロ活動にも積極的で、今年6月には盟友の東里起Small Circle of Friends)がプロデュースした4作目『MELLOW』(BASIC)をリリース。さらにレトロなソウル感が魅力のシンガー、伊集院幸希の2作目『月曜日と金曜日 ~Sugar Hi Junnie~』(HOTWAX)をはじめ、客演も多数です! *bounce編集部
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40周年プレイリスト
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