クレイツを深くディグれば、そこにはまだ宝石がある――NYの伝説が渾身作をドロップ!

 90年代初頭からコアなヘッズの間で絶大な支持を誇ったNYのクルー、DITC(ディギン・イン・ザ・クレイツ)周辺の動きがまた活性化している。先日はバックワイルドがメイヘム・ローレンのアルバムをトータルで手掛け、ショウビズが主導したリミックス集『D.I.T.C. The Remix Project』も出た。そしてダイアモンドDだ。昨年DINARY DELTA FORCEや盟友ファット・ジョーを手掛けたあたりから今年のダイレイテッド・ピープルズ仕事に至るまで、一時期の停滞を経て改めてそういうモードに入ってきたようにも思える。

DIAMOND D 『The Diam Piece』 Dymond Mine/ディスクユニオン(2014)

 そこで登場するのが、およそ6年ぶりのソロ・アルバム『The Diam Piece』だ。最近の彼は自作でも他人のビートを起用することが多かったが、今回は久々に全曲のトラックをみずからプロデュース! 鬼のサンプリング審美眼を発揮してきた彼も、時代の流れに応じて自身の演奏をネタの根幹にするという試みで新たな宝石を拾い上げんとしている。一方でラップ面はほぼ全曲に招いたクソ豪華なゲストMCに主役を委ねたことが奏功し、シブいループと多彩な声の絡みがたまらない! なお、DITCではOCがレイ・ウエストと組んだ新作を発表したことにも留意しておきたい。

 

▼関連作品

左から、D.I.T.C.のリミックス集『D.I.T.C. The Remix Project』(D.I.T.C.)、DINARY DELTA FORCEの2013年作『THE 9』(DLIP)、ダイレイテッド・ピープルズの2014年作『Directors Of Photography』(Rhymesayers)、レイ・ウェスト & OCのコラボ・アルバム『Ray’s Cafe』(Red Apples 45)
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