複数のオーディション番組を賑わせてきたチャイニーズ・アメリカンの4姉妹から成るLAのグループが、ミディ・マフィア制作のもとファースト・アルバムを完成させた。〈90's Baby〉を謳うように、SWV“Weak”の大ネタ使いとなる甘酸っぱい“You”、2パック“I Get Around”と同ネタの“Cali Girls”、Qティップ“Vivrant Thing”使いの“PYT”、そしてマライア・キャリー“Heartbreaker”リミックス版のカヴァーまで、美しく滑らかなヴォーカル・ワークで披露される、90s西海岸系メロウネスを漂わせながらのオマージュは明快そのもの。エリック・ベリンジャーがペンを交えたダンス・ポップ調の“Empty Words”もR&Bの旨味を損なわず、どの曲も快感のツボを押さえた、前向きな懐古が吉と出た好作だ。