篠山紀信金森穣とのコラボでも知られる作曲家の新作は、『TOKYO nude』に続く音響作品。オペラ制作が以前より構想にあったと言い、今回の作品はその萌芽として明確なストーリーや歌手の存在しないオペラ作品と位置づけられている。「宇宙の終焉へ」というメッセージが付された本作の精緻かつ攻撃的に構築されたビートは、宇宙の無限の可能性やエネルギーをも想起させる。また、同時発売の映画『さよなら渓谷』のサウンドトラックを編曲した楽曲も収録する『CHAMBER MUSIC ONE』は完全にアコースティックな作品で、平本の表現力の幅広さを伺い知る事が出来る。