現在の編成でアルバムも作り上げて地固めを終えた観もある昨年から歩を進め、今年に入ってからはシングルリリースのたびに野心的なチャレンジを打ち出しているlyrical school。4月の“brand new day”ではLITTLEを作詞に迎えてカタいライミングに挑戦する一方、7月の“FRESH!!!”では手の合うtofubeatsと一段上のディスコ・ラップを完成させたのも記憶に新しいでしょう(水着のMVも)。で、それから3か月……今年3枚目のシングルとなる“PRIDE”は、ここまでの経験を踏まえて、かつてないストロング・スタイルに挑んだ圧巻の出来映えとなりました!

lyrical school PRIDE T-Palette(2014)

 今回の表題曲は、坪光成樹(作曲)と高橋コースケ(編曲)、岩渕竜也(作詞)という布陣によるもの。つまり、前身のtengal6結成当初から楽曲制作を担当してきたチームというわけで、(いわゆる)アイドル性におもねらない姿勢は原点回帰的といってもいいのかもしれません。ずっとライヴDJも務めている岩渕だけに決然としたリリックも6人の特性を活かしたもので、あれこれの引用なども散りばめながらすべての要素がストレートにカッコ良く響く方向へと作用しています(特にminanのパートはすごい!)。カップリング曲“抜け駆け”は台湾のトラックメイカーだというEbbie Eastによるもので、これも彼女らならではの子供っぽくないキュートなラヴソングだと言えるでしょう。いいね!

 また、メンバー別ジャケットで登場する初回盤には、“tengal6”や“プチャヘンザ!”などtengal6時代の楽曲を現在のメンバーで新録したヴァージョンを収録。最初から在籍する4人に関しては進化と成長を如実に見せつける絶好の機会でしょうし、もちろんhinaとminanの担当するパートは以前のテイクに親しみがある人にも聴きもののはず。LIQUIDROOMでのワンマンも控えた6人の現在を、ぜひここで体験してほしいものです!