酒灼けしたしゃがれ声の引き立つ暗黒フォークブルース・ロックが核にあるのはこれまでと変わらない。しかしクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジをはじめ、数々の外仕事を経験してきたせいか、近年のラネガンは意外と心が広い!? この新作では中近東風のサイケ感覚に加えてニュー・オーダーを思わせるシンセも使い、仄かな光を描いてみせる。暗黒一辺倒でないところに、成熟が感じられる一枚。