初のオリジナル曲集『不器用』リリースとそれに伴うツアーを敢行して見違えるほどの成長を遂げ、いよいよ本格的に〈始まった〉感のあるLoVendoЯ。夏にはロック・フェスからアイドル・イヴェントまでさまざまな現場に飛び出し、バンドとしての経験値と一体感をさらに高めている真っ最中の4人だが、結成から丸2年を迎えたタイミングで早くも新作『イクジナシ』が届いた。今回もMVやライヴ映像を収めたDVD付きのミニ・アルバムになっている。

LoVendoЯ イクジナシ アップフロントワークス(2014)

 威勢のいい表題曲は兄貴分・中島卓偉の提供したハード・エッジなナンバー。田中れいな岡田万里奈の攻撃的な掛け合いで引っ張りつつ、れいながハーモニーに回る局面もあって、ユニークな編成から生まれる刺激は前作以上に意識されているようだ。魚住有希宮澤茉凜それぞれのギター・ソロもアグレッシヴに響く。また、その宮澤が作曲した“UNDERGROUNDER”(作詞は唐沢美帆)は、リフ先行で組み立てたと思しき重たいメタル・チューン。一方、結成当初から披露されていた“この世に真実の愛がひとつだけあるなら”では歌謡性の高い疾走感をポップに響かせ、さらにはライヴ映え必至ながむしゃら系の“Stonez!!”も続き、持ち札の多さも見せつける。シメの“少年”はふたたび岡田が主旋を伸びやかに歌うスケールの大きいバラード。11月からは秋ツアーも始まるが、その先の展開にも期待するしかなくなる一作だ。

 

 

▼関連作品

LoVendoЯの2014年作『不器用』(アップフロントワークス)
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