これは痛快! 70年代初頭バリバリの社会主義国だったルーマニアでひたすら珍妙なエレポップを追求していたバンドのお蔵入りアルバムが、30年以上の時を経て音盤化。カシオのキーボードやドラムマシーンなどを駆使した実験的な電子音響は、クラウトロックと似た匂いを放っているが、よりカラフルで愛嬌のあるサウンドが楽しい。独裁政権下で、これほど奔放で創意に満ちた楽曲を作り続けた根性には感動すら覚える。