レディオヘッドのファン、ライヒのファン共に“待ち望んだ”1枚ではないだろうか。ジョニー・グリーンウッドスティーヴ・ライヒが2010年に邂逅を果たして以降、強い化学反応を起こすが如く産み出された作品と演奏がこのアルバムには収められている。かつてパット・メセニーが示した名演に真っ向勝負を挑むかのような煌びやかな“バンド風”の《エレクトリック・カウンターポイント》だけでも一聴の価値ありだが、やはり白眉は“鬼才”VS“伝説”の《レディオ・リライト(Radio Rewrite)》だ。レディオヘッドのサイケ感とライヒの浮遊感の恐るべき一体感と、それが紡ぎだす恍惚は、まるで麻薬のよう。