ドイツの変り種バンドが、本国では『Humanoid』以来5年ぶりとなるこの新作でエレクトロ・ポップ・アクトに大変身を遂げた! カウリッツ兄弟はここ数年のLA生活でクラビングに勤しみ、ダンス音楽にハマったそうで、今回はトムがプロダクションを主導し、曲ごとにフレキシブルな編成でアプローチ。もっとも、初期のヘヴィー・ロック路線から徐々に志向はシフトし、前作では電子音主体のポップな曲にも挑んでいたから至極自然な展開でもあり、フロア仕様の楽曲もあるものの、デペッシュ・モードなど80年代ニューウェイヴを愛する人たちだから完全にEDMに傾くことはない。トーンは終始メランコリックで、解釈はあくまで独自流。オトコな顔に変身したビルの、艶やかな歌声との相性も良し!