(C)創通・サンライズ・MBS

 

 「機動戦士ガンダム」のTV放送開始から35周年を迎えた2014年は、ファンにとってはまた別の意味で特別の年となった。それは、ガンダムの生みの親である富野由悠季が総監督となり、「∀ガンダム」以来15年ぶりに手掛ける長編ガンダム・シリーズ「ガンダム Gのレコンギスタ」が始動したからだ。

矢立肇 ガンダム Gのレコンギスタ 1 バンダイビジュアル(2014)

 今回の物語は、かつての富野ガンダムで使われていた年号〈宇宙世紀〉の終焉から千年後の世界が舞台。宇宙戦争で得た教訓により、技術の発展をみずから抑制することで平和を維持してきた人類は、旧時代の遺物である軌道エレベーター、キャピタル・タワーが宇宙からもたらすエネルギーによって繁栄を続けてきた。主人公の少年は、そのタワーを守るために組織された部隊の候補生。彼と、宇宙から降下してきた謎のモビルスーツ、G-セルフとの出会いが引き金となって、世界は大きく動き始める……。

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 過去作との直接的な関係は(いまのところ)見られないが、例えばミノフスキー粒子やハロ(っぽいロボット)、バイザーで目を隠したライヴァル(その名もずばりマスク!)といったガンダムならではの要素は登場するし、人々が旧時代の高度な技術を禁忌として封印している設定は「∀ガンダム」を思わせるもの。キャラクターデザインには「OVERMANキングゲイナー」に続いて吉田健一を起用するなど、これまでの富野作品との繋がりやオマージュもチラホラある。何より、キャラそれぞれの個性を立てたケレン味たっぷりの台詞は、ガンダムを通じて数々の名言を生み出した富野節そのものだ。

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 監督自身が〈子どもに見せたい作品〉と語る本作は、我々にどのようなメッセージを残してくれるのか。次回予告の台詞に倣って言うなら、〈見たくなくても、見る!〉でしょ!

 

▼関連作品

GARNiDELiAの2014年のシングル“BLAZING”(DefSTAR)

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