プエルトリコ出身のアルトサックス奏者ミゲル・ゼノンは、現代のジャズシーンでも最も注目される存在のひとりとなりつつある。今作は、いわゆる『ニューヨリカン』と呼ばれるニューヨーク在住のプエルトリコ系移民と移民2世たちへの彼自身によるインタビューをもとに、異国での生活や文化を通して祖国のアイデンティティーを再発見していく過程に触発されたコンセプト作。自身のクァルテットを基盤にビッグバンド編成から繰り出される多彩なポリリズムとハーモニー、そして新世代ラテンジャズが進化していくなかで再発見されるアフロラテンのフォルクローレ的メロディの美しさが格別の一枚。