ロイス・ダ・5'9"DJプレミアの新ユニット……と聞いて首とか腰のあたりがピクッと動く人にとっては、以下の文章も蛇足でしかないだろう。無性に耳が欲する系の“Boom”(2000年)を生み出した名コンビが、全曲でガッチリ手を組んだアルバムを完成。ロイスに〈エミネムの相棒〉以外の価値をもたらした同曲以降も両者の絡みは“Hip Hop”(2004年)などで定期的に届けられていたが、スローターハウス結成を経て絶好調なマイクと、プロ・エラら若手からの需要をまた増しているビートの合体はいままで以上に脂が乗った感じだ。ザラリとした語りに、よく歌うスクラッチももちろん全開。エイドリアン・ヤングの演奏を再構築した部分もあるからか、RZAの作法を思い出させる瞬間もあっておもしろい。美味!