ハイ・パワーのNo.2でありながら、近年は独G路線を選んでいる犯罪氏。ジャケから連想される(いわゆる)チカーノ・ラップの伝統性よりもモダンな足回りは近作の彼を特徴づけるポイントだが、今回も自作のビート中心に冷たく生々しい我流のGサウンドを仕上げ、DJシャドウによる幻惑的なベイ・トラップにも意欲的に取り組んでいる。それだけに巨匠ドミネイターと組んだ王道ウェッサイな2曲が眩しく感じられるのも確か。