前作から1年9か月、彼らにしては思いのほか早いペースで新作が到着した。JR・ロテムらの助力を得て、アーバン・ポップの要素をパワフルなバンド・サウンドに落とし込むという意味では前作の延長上。シンガロング必至のFOB節は、3月の〈PUNKSPRING〉でも映えるだろう。今回はそのうえで音数を削り、メンバー個々の魅力が直に伝わるアレンジになっているところがポイントだ。ヴォーカリストとしてパトリック・スタンプが圧倒的な存在感をアピールする一方、“Uma Thurman”のエキゾティックなフレーズをはじめ、ジョー・トローマン(ギター)も大活躍。多くのゲストを招いた過去の作品とは違い、ほぼメンバーだけで作り上げた点に、活動再開後、さらに強いものとなった4人の絆が窺える。