ナポリ出身の若手女性シンガー、フローのデビュー作。いかにもイタリアらしい明るいポップさはなく、基調となっているのはファドモルナシャンソンなど。つまりジャケのトーンとは異なり、常に哀愁が漂っている。声自体には若々しさもあるのだが、表現力が非常に豊かで成熟した大人の味わい。また、欧州音楽の伝統的な部分を土台に残しながらもアレンジの随所にモダンさが感じられ、そのバランスが魅力的だ。