シルヴィア・ローンが見い出したマイアミのキューバ系ラッパー……という触れ込みながら、このデビュー作ではパワフルな歌唱でグイグイ荒ぶる曲が多く、言うなればオルタナ・ソウル・ポップと形容すべきか。どことなくピンクに重なる局面もあって曲調は多様だが、サラーム・レミによるレゲエ風味の“Clocks”や曲名通りにリズミックなスパニッシュ曲“Tumbao”における、地の出た野太いマイク捌きは明らかに魅力的。