ブルーノ・マーズを迎えた痛快ミネアポリス・ファンク“Uptown Funk”が英米で1位に輝き、かつてなく期待が高まるなか届いた4作目。過去3作では〈ヒップホップ〉〈英国ロックの再解釈〉〈80年代〉と、アルバムごとにテーマを示してきた彼だが、今作に通底しているのはブルーアイドな視点によるファンクとソウルだ。ミスティカルにJBを憑依させた“Feel Right”などのアッパーな面と、ケヴィン・パーカーや盟友ジェフ・バスカーらにAORテイストを担わせたメロウな面を両軸に進む全11曲は、サンプリング/DJ感覚に基づくキュレーションを思わせる巧みな構成。幕開けと終幕を御大スティーヴィーのハーモニカが飾るのも名作感がひとしおだ。育ちと趣味の良さが全開の、まさしくアップタウンの音楽。