15年も待たせた前作から約3年ぶり。シーンの状況を一変させたいという意気込みがタイトルに滲む新作は、ベイビーフェイス製の表題曲をはじめ、グレッグ・パガーニチャック・ハーモニーらの制作による正統派のミディアム~スロウを実直に歌い込むジョニーのR&B愛が全編に溢れる快盤だ。実質ニュー・エディションボビー・ブラウンを除く)の新曲となる“This One's For Me And You”も含め、曲の後半で吠え歌うようなアドリブは今回も冴えまくり。ラルフ・ステイシー制作のハイ・サウンド風、ワーリー・モリスによるステッパーズブギー調もあり、さりげなく取り込んだ中年ソウルのトレンドもいい流れを醸成。ラストのEDMには仰天するが、ここまで歌に溺れさせてくれる人もいまや稀少だろう。

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