HIPHOPPLAYAより

 

HIPHOPPLAYA〉とは、ワタクシが韓国ヒップホップ情報をゲットするために日々Google翻訳にお世話になりながらチェックしているウェブサイトで、本国でもその界隈ではもっとも権威あるメディアではないかと思います。そんなサイトで先日、昨年度の優秀作品を読者投票をもとに選んだという〈HIPHOPPLAYA AWARDS 2014〉が発表されました! 当然ながらかの地の有力インディー・レーベル系が幅を利かせる結果となっているので(ネガティヴな意味ではなく)、つまりは韓国ヒップホップ初心者ならまずは聴いてみるべき!という作品/アーティストが揃っていることから、今回はこれをつまみに呑んだくれたいと思います。

まずは受賞者発表ページをご覧ください。こちらからどうぞ。

Google翻訳くんはあまり日本語が得意ではないので、正直どういうことを言わんとしているのは100%わかりませんが、とりあえず政治的&主観的な選考はせずにファンの投票によって決定されている、ということが序文で書かれていると……思います、ハイ……。周りに韓国語が得意な人がいたら訊いてみてください。

とりあえず個人的に気になった部門をかいつまんでおきます。

〈ARTIST OF THE YEAR〉DOK2
〈ROOKIE OF THE YEAR〉LOCO
〈FEATURING OF THE YEAR〉NOCHANG
〈ALBUM OF THE YEAR〉JUST MUSIC『Ripple Effect』
〈PRODUCER OF THE YEAR〉NOCHANG
〈SINGLE OF THE YEAR〉ILLIONAIRE“연결고리”
〈R&B ARTIST OF THE YEAR〉CRUSH
〈LABEL OF THE YEAR〉Illionaire Records
〈CONCERT OF THE YEAR〉HUCKLEBERRY P〈焚身〉
〈RISING STAR OF NEXT YEAR〉BLACK NUT

てな感じ。ざっくり言うと、韓国ヒップホップ界においても絶大な支持を得るラッパーのSWINGS(〈ARTIST OF THE YEAR〉では3位でした)率いるレーベル、ジャスト・ミュージック関連と、Mikikiでもたびたび取り上げているヤング・ボス、DOK2率いるイリオネア勢が昨年は目立った活躍をしたというところでしょうか。知らない人にとっては完全に何のこっちゃですね、へへへ。

ジャスト・ミュージックはC JAMMVASCOGIRIBOYBLUCK NUTらが所属しているヒップホップ・レーベルで、昨年発表した初のレーベル名義でのアルバム『Ripple Effect』が高い評価を得て〈ALBUM OF THE YEAR〉を獲得しました。この作品のプロデュースを一手に引き受けたNOCHANGが2冠(フィーチャリング賞……そうなのか……)、そして言わば〈期待のルーキー賞〉といった〈RISING STAR OF NEXT YEAR〉にいま話題のKEITH APEを出し抜いてBLACK NUTが選ばれています……そうなのか。

【参考動画】ジャスト・ミュージックの2014年作『Ripple Effect』収録曲“더” ト!

 

温度の低い説明、失礼しました。

続いてイリオネアは、レーベル名義でのアルバム『11:11』をはじめ自身でシングルも数枚発表、本国でめちゃめちゃ注目を集めた勝ち抜きラップ・バトル番組〈Show Me The Money 3〉に相棒のTHE QUIETTと出演(このチームで擁立したBOBBYくんが狙いすまして大ブレイク)、もちろんフィーチャリング仕事もいろいろ、来日公演も3回敢行(関係ないか)といろいろがんばったDOK2がいちばん大きい賞っぽい〈ARTIST OF THE YEAR〉を獲得! アルバム賞は僅差で上述の『Ripple Effect』に及ばなかったものの、『11:11』はめっちゃ良い作品でしたね。私の〈心のベスト10〉では第1位です。とはいえ、すっかりアンセム化している〈YGGR〉こと“연결고리”が〈SINGLE OF THE YEAR〉を、たった3人しかアーティストはいないけど中身の濃いイリオネアが〈LABEL OF THE YEAR〉をゲットしております。あと、BEENZINOが〈FASHION ICON OF NEXT YEAR〉という謎の栄冠に輝いていたりも。ネクスト・イヤーて。

【参考動画】イリオネア・レコーズの2014年作『11:11』収録曲“연결고리 (YGGR)”

 

ところで、どうしてBEENZINOはイリオネアに入ったんだろう……なんでBEENZINO以降誰も所属していないんだろう……訊いてみたいな――とぼんやり思っていたら、なんとふたたびDOK2 & THE QUIETTご夫妻……間違えました、DOK2 & THE QUIETTが4月29日に来日公演を行うとのこと! このぼんやりした質問を実際にぶつけるかどうかはわかりませんが、とりあえずライヴです! これまででいちばん大きいshibuya duo MUSIC EXCHANGEが会場なので、みんな行きましょう!

※DOK2 & THE QUIETTのライヴ詳細はこちら

ライヴはもちろんですが、この2人が今度はどこの寿司屋に並ぶのかにも注目したいと思います(何の話かはこちらを参照)。

【参考動画】イリオネア、ハイ・ライトの面々が出演した2014年の〈HIPHOP PLAYA SHOW〉の模様
前半にイリオネアが登場しています

 

そして、〈ROOKIE OF THE YEAR〉は激戦の末、LOCO(カレーが好きそうな顔をしている)が選ばれています。彼は、Mikikiで取り上げてきた数々の韓国アーティストのなかでもっとも登場回数が多いに違いないZION.TCRUSHなどを抱えるクルー、VV:Dの一員で、JAY PARKSIMON D率いるAOMGから発表した昨年のEP『Locomotive』は個人的にも結構好き。“Thinking About You”がクリス・ブラウンの“Loyal”を彷彿とさせていたりして、ちょいちょいDJマスタード感のある曲が搭載されております。

【参考動画】LOCOの2014年のEP『Locomotive』収録曲“Thinking About You”

 

ちなみに、この“Thinking About You”をはじめ『Locomotive』で多くの楽曲をプロデュースしているVV:D仲間&レーベルメイトでもあるGRAYは、〈PRODUCER OF THE YEAR〉で2位に付けていますね。私の〈心のベスト10〉ではダントツで1位ですが。LOCOやJAY PARKといったAOMG関連作品をメインに、SWINGSやCRUSHなどなどへ楽曲提供しており、昨年はプロデューサー業でかなり活躍していた印象(自身もシンガー/ラッパーであります)。育ちの良さが窺える洗練性とポピュラリティーを備えたサウンドのセンス(と顔)は個人的に非常にツボで、どの仕事にも感銘を受けた次第。マジでカッコイイ。今年はリーダー作にも期待したいです!

【参考動画】GRAYの2013年のEP『Call Me Gray』収録曲“In My Head”

 

R&B部門がCRUSHというのは個人的に異論なし。初々しさが大爆発した初アルバム『Crush On You』は鬼のようにリピートしたものです。昨夏にソウルへ行ったら街中でCRUSHくんの曲がかかっているのをよく耳にしたので、ティーンを中心にお茶の間でも知られた存在になっているのでしょう。

【参考動画】CRUSHの2014年作『Crush On You』収録曲“Sometimes”
この動画、もう何回貼ったろう

 

2番手に先輩ZION.T(シングル1曲しかリリースしてないのに)、3番手に大先輩のBIGBANGテヤンSOL)と、そもそも球数が少なめなR&Bシンガーですが、良い感じの並びではないでしょうか。個人的にはなかでもいちばんいまっぽい、インディーR&B感のある楽曲を揃える初作『Natural Hi-Fi』を発表したALSHAINがもっと喰い気味で来てくれるといいなと思っていましたが、今後に期待!

【参考動画】ALSHAINの2014年作『Natural Hi-Fi』収録曲“Start In You”

 

ほかにも、ロック方面へ行きつつあるのがなんだかおもしろいMAYSON THE SOULや、客演仕事を中心に頭角を現しているBABYLON(この人気になるー)あたりが今年どんな感じで活動していくのか……というところにも注目していたりします。ちなみに、SHINeeジョンヒョンが先日リリースした初ソロ作『Base』は本当に素晴らしいR&B作品なので、こういうのも普通に評価されてほしいな~。

【参考動画】ジョンヒョンの2015年のミニ・アルバム『Base』収録曲“데자-부 (Déjà-Boo) ”

 

そして、ライヴ巧者のフリースタイラー、HUCKLEBERRY Pがかろうじて〈CONCERT OF THE YEAR〉を獲得していますが、各部門でいいところまで行っているものの受賞には至らなかったものが多いのがハイ・ライト勢でしょうか。主要部門ではB-FREEが奮闘していたんですが……残念! ただ、いまハイ・ライトにはKEITH APEがいる! 今年の台風の目になること(もうなってるか)間違いなしのラッパーなので、よりいっそうマッコリのボトルをブンブン振り回してほしいものです。

【参考動画】KEITH APEの2015年のシングル“잊지마 (It G Ma)”

 

てな感じで……ちなみにジャスト・ミュージックの皆さんにはいっさい何の恨みもありませんのでくれぐれも誤解なきよう。いつも聴いてます!