もの凄い音源がBandcampでリリースされた! シカゴ・ハウスの草分け的レーベルであり、ゲットー・ハウスの隆盛からジュークフットワーク・シーンへの橋渡しまで担った名門、ダンス・マニアから9枚のシングルを発表し、後期ゲットー・ハウス・シーンで活躍したDJチップことD.J.スタック・チップの幻の楽曲“Juke Slide”を、Booty TuneがデジタルEP『Juke Slide EP』として発表したのだ。

Booty Tuneのオフィシャルサイトなどに掲載された説明によると、レーベル主宰のD.J.Fulltono氏らがシカゴを訪問した際にチップと会い、本人から直接プロモ盤をもらって(!)今回のリリ―スに漕ぎ着けたとのこと。D.J.FulltonoがDJセットで回し続けてきたクラシック“Juke Slide”はこれまでYouTubeでしか聴けなかったレア曲だが、それもそのはず、ダンス・マニアの倒産により正式には流通しておらず、50枚のプロモ盤が地元のDJや関係者に配られたのみだったという。だがFulltonoの熱意を感じたチップが、自宅の倉庫から幻のプロモ盤を見つけ出し……という顛末はゲットー・ハウス好きならずとも胸を熱くするはず。

今回のEPは、ポコポコと湧くジューク・ビートと猥雑なゲットー・ハウス臭がたまらない“Juke Slide”を含め、99~2008年頃に作られた未発表トラックから成るもの。全盛期ジューク/初期フットワークの貴重なドキュメントとしても聴ける、掛け値なしで幻の音源集と言える逸品だ。