INTERVIEW

10年目の復活を遂げるBURGER NUDSを徹底解剖!(1)

門田匡陽が復刻盤と共に振り返る、BURGER NUDSのこと

10年目の復活を遂げるBURGER NUDSを徹底解剖!(1)

 

 2004年6月21日に新宿LOFTでのライヴをもって解散したBURGER NUDSが、ちょうど10年後の2014年6月21日に恵比寿LIQUIDROOMで復活ライヴを敢行。それに先駆けて、廃盤となっていた5枚のオリジナル作品が、新たに3枚にパッケージし直されてリリースされる。中学/高校の同級生だった全員80年の早生まれという3人、門田匡陽(ヴォーカル/ギター)、丸山潤(ベース)、内田武瑠(ドラムス)で99年に結成されたBURGER NUDSは、当時の下北沢のギター・ロック・シーンを代表するバンドのひとつ。同時期に活動していたのが、BUMP OF CHICKENsyrup16gART-SCHOOLACIDMANなどで、多くのバンドがインディーズからメジャーへと駆け上がっていったわけだが、彼らは決して徒党を組んでシーンを盛り上げようとしていたわけではなかった。

 

▼このたびリリースされた3作品

左から、BURGER NUDSの『BURGER NUDS 1 LOW NAME / 線』、『BURGER NUDS 2 自己暗示の日 / kagaokuri』、『BURGER NUDS 3 symphony』(すべてTELESCOPE/UKプロジェクト)
※ジャケットをクリックするとTOWER RECORDS ONLINEにジャンプ

 

 

 

「対バンしたらステージは観るけど、打ち上げには絶対行かなかったし、あんまり他人と音楽の話はしたくないと思っていて。音楽はもう少しパーソナルなものだと思ってたから、ライヴが終わって賑やかに打ち上げやってるのを苦々しい気持ちで見ながら、俺たちは速攻で外に出て、3人で遊んでましたね」(門田:以下同)。

 【参考動画】BURGER NUDSの『BURGER NUDS 1 LOW NAME / 線』収録曲 “ANALYZE”

 

 こうした内向的な性格、シニカルな目線が反映されたダークな曲調や歌詞も多かったため、BURGER NUDSは若さゆえの鬱屈した感情を歌ういまの若手バンドの先駆けとされ、実際に影響を公言するバンドは多い。しかし、代表曲のひとつである“逆光”の〈退屈だとか/絶望だとか/それさえ嘘に思えるだけ〉という歌詞にこそ、彼らの本質が示されている。

  「〈セカイ系の走りだったよね〉とか〈中二的なバンドにものすごく影響を与えたメンタリティーだった〉とか言われることもあるんですけど、僕らは退屈や絶望を歌っていたわけではないんです。最初からそれを人に叩きつける意味も感じてなかったし、そういうのは嘘臭いと思ってた。だからこそ、“逆光”っていう曲は、ものすごく僕らをよく表している一曲だと思うんです」。

 では、実際にBURGER NUDSというバンドが体現していたのはいったいなんだったのか? それは純粋に自分たちの感覚に従って、自由に好きなことをやるということ、ただそれだけ。そもそも〈NUDS〉という言葉は〈オタク〉を意味し、それは大のアニメ好きだった内田をはじめ、好きなものにはとことん入り込んでしまう3人の人間性が反映されたものだった。

  「自分たちはすごいことをやっていると思っていて、これは人と共有できるわけがないっていうのが前提だったんです。みんなでシンガロングするような曲でもないし、最初から〈わかんなくていい〉って思ってやってました。自分がきれいだと思うこと、やってて気持ちいいことだけをやろうっていう、そういう感じだったんですよね」。

 この自由度の高さは、音楽性にもそのまま反映されていた。彼らの楽曲は、90年代のUSオルタナブリット・ポップCOALTAR OF THE DEEPERSをはじめとした日本のアンダーグラウンドなロックなど、幅広い影響から生まれたものではある。しかし、ジャンルで隔てることを良しとせず、フラットに音楽を見ていた彼らの目線というのは、インターネット発展以降の感性に通じるものがあると言っていいだろう。

  「当時はMDの時代だったから、自分で好きな曲を1曲単位で入れて、オリジナルのMDを作ったりしてたんですけど、その選曲がまったく脈絡ないんですよ。ものすごくエモい曲の次にクラシックが入っていたり、その後がアニソンだったり、僕らのなかではそれが普通で、ある文化に帰属した音楽の聴き方はしてなかったです」。

 2003年8月、初のフル・アルバム『symphony』を発表し、12月にインディーズのバンドとしては異例となる新宿LIQUIDROOMでの単独公演を成功させたときには、「いよいよ彼らもメジャーか」と誰もが信じて疑わなかったことだろう。しかし、友情からスタートしたバンド内の人間関係が徐々に破綻をきたし、このときすでにバンドは空中分解寸前。翌2004年に3人は解散を決め、新宿LOFTの解散ライヴで約5年間の活動は幕を下ろした。その後、門田と内田はGood Dog Happy Menを結成して活動を共にするも、2010年に活動休止。門田は本名名義での活動を経て、2013年にPoet-type.Mとしてフル・アルバム『White White White』を発表、内田は2011年にショピンに正式加入し、いまも活動を続けている。一方、丸山は音楽活動からは離れていたが、復刻盤の発売に向けて3人が久々の再会を果たすと、復活ライヴへと話は広がっていった。

 【参考動画】Poet-type.Mの2013年作『White White White』ダイジェスト

 

  「僕がPoet-type.Mというソロ・プロジェクトと出会っていなかったら、たとえ十何年経とうと、BURGER NUDSをやろうとは思わなかったと思います。Poet-type.Mの活動を始めて、BURGER NUDSとはまるっきり違うものだとわかったからこそ、両方できるなって思えたんです」。

 BURGER NUDSは結果的に下北系ロックを代表するバンドとなったわけだが、その背景にあったのは、学校の延長線上としての、友情の物語だった。それはどこか、彼らの影響源のひとつであり、今年約10年ぶりの来日公演を行ったブラーのストーリーにも通じるものがあるように思う。LIQUIDROOMでの10年ぶりの再会に必要なのは、周りを気にせず、自分のやり方で、自由に楽しむということ、ただそれだけ。彼らなら、きっとそう言うだろう。

 

▼BURGER NUDSのメンバーによる関連作品

左から、門田匡陽のソロ・プロジェクト、Poet-type.Mの2013年作『White White White』(I WILL)、内田武瑠が所属するショピンのニュー・アルバム『猫のいる音楽』(ピョードル社)
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▼文中に登場したアーティストの作品

左から、BUMP OF CHICKENの2000年作『THE LIVING DEAD』(トイズファクトリー)、ART-SCHOOLの2002年作『REQUIEM FOR INNOCENCE』(ユニバーサル)、Syrup 16gの2001年作『COPY』(DAIZAWA/UKプロジェクト)、ACIDMANの2002年作『創』(ユニバーサル)
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