ニーヨクリス・ブラウンらへの楽曲提供で知られたシンガー・ソングライターが、苦汁を舐めたメジャー活動から雌伏を経てついにフル・アルバムを発表。全裸クルクル系のMVで話題を撒いた“Til The End Of Time”の頃はポスト・ディアンジェロを期待されたようだが、起伏の大きいメロディーに感情を預けるようなアーシーな歌い口には、先人とは似て非なる官能性と泥臭さがある。ゴスペリッシュな昂揚も込み上げてくる快作だ。