INTERVIEW

CROSS VEIN、超絶技巧のメロスピ/シンフォニック・メタル・サウンドで魅せる徹底的にドラマティックなメジャー初フル作

CROSS VEIN、超絶技巧のメロスピ/シンフォニック・メタル・サウンドで魅せる徹底的にドラマティックなメジャー初フル作

 「いままで聴いてくださっていた方々にもっと喜んでいただきたいというのと、これまで届いていなかった方々にも届くようなものにしたいと思っていたんです。歌詞に関しては好きに書かせてもらっているので、そこまで一般受けを狙ったりはしていないのですが、〈リスナー拡大〉というのは、私にとってひとつの課題としてありました」(JULIA)。

 紅一点のヴォーカリスト、JULIAの歌唱力や、超絶技巧で繰り出されるメロディック・スピードシンフォニック・メタル・サウンドが好評のCROSS VEIN。ライヴハウスを〈劇場〉と称するなど、中世ヨーロッパの王侯貴族をモチーフにしたバンド・コンセプトやヴィジュアルも鮮烈な5人組から、メジャーからの初フル・アルバム『ROYAL ETERNITY』が届けられた。本作を一言で表すならば、〈ディス・イズ・CROSS VEIN〉。荘厳な導入のSEを耳にしたその瞬間、目の前には巨大な古城がそびえ立ち、そこから雪崩れ込む“Eternal Dream”では、スラッシーなビートや血湧き肉躍る怒濤の曲展開が、戦地で繰り広げられる激闘を彷彿とさせる。そんな、徹底的にドラマティックで映像的な全12曲だ。

CROSS VEIN ROYAL ETERNITY ビクター(2015)

 「聴き終わったときに、映画を観終わったような感覚になれる作品をずっと作っていきたいと思っているので、今回もその面は強く出たのかなと思います。〈良いとこ取りした曲を集めました〉というものではなく、序章があって、出会いがあって、戦いがあって、エンドロールがある。そういう起承転結を大事にしつつ、一曲一曲の完成度も高めていくようにしてますね」(Yoshi)。

 “Eternal Dream”を軸に作られた本作だが、オルガンとクワイアが華を添えるミディアム“琥珀の誓い”があったり、「改めてウチの楽器隊は本当に上手いと思った」とJULIAが笑みを浮かべながら語った“Suite Museum”ではジャジーな面も垣間見せたりと、それ以外の要素もあちこちに。そんな楽曲群のなかでも、壮大で神々しいまでの光を放つ“Brightest Hope”は、聴き手に多大なインパクトを与えるだろう。

 「本来シンフォニック・メタルは重たいものではありますが、そこにメロスピ調のものをミックスできる点がCROSS VEINのひとつの強みだと思っていますし、ハロウィンガンマ・レイが好きなYoshiの好みがよく出てると思います」(MASUMI)。

 「〈“Brightest Hope”が良さそうだ〉っていうコメントは、アルバムのトレーラーを公開したときにいちばん多かったような印象もあって。CROSS VEINはマイナー調でダークな曲が多かったんですけど、こういう曲も自分たちの色に染めて出して行きたいですね」(Yoshi)。

 正統派のサウンドでコア層のニーズにしっかりと応えるCROSS VEIN。それでいて、ライト・ユーザーにも積極的にアプローチを仕掛けようとしている意志は、JULIAによる冒頭の発言のみならず、確固たる世界観を持ったCROSS VEINという木から美しい枝葉を広げはじめた、この作品からもしっかり伝わってくる。

 「自分たちのやりたいものは強く押し出していきますが、ただ、自己満足にはなりたくないんです。なるべくファンの方の期待に応えられるような作品作りは心掛けていたいと思っていて」(Yoshi)。

 「激しい音楽が受け入れられる世の中になってきているのかなとも思っているんですよ。そのなかでもCROSS VEINは歌謡曲チックで耳馴染みの良い部分もありますし、そこを推し出して、いやらしい話ですけどアニソンのタイアップとかも狙っていきたいですね。CROSS VEIN自体がアニメみたいな雰囲気もありますし(笑)」(MASUMI)。

 「いまって、ジャンルの住み分けも難しいと思いますし、そういう壁みたいなものは取り払っていけたらいいなと思っていて。老若男女、いろんな方に感動を与えられるようなバンドになりたいと思っています」(JULIA)。 

 

CROSS VEIN
JULIA(ヴォーカル)、Yoshi(ギター)、MASUMI(ギター)、Shoyo(ベース)、ko-suke(ドラムス)から成る5人組。2008年に結成され、幾度のメンバー・チェンジを経て2014年9月に現体制となる。2010年、JULIA加入後の初シングル“Pain of the Heart”を発表。2011年の5枚目のシングル“Moon Addict”からはYoshiがメイン・コンポーザーとなる。2012年にはファースト・アルバム『Birth of Romance』を上梓。2013年からはMASUMIのバンド参入により作曲体制がYoshiとの2本柱に。2014年は3月に初のワンマン・ライヴを開催し、11月にはシングル“Maid of Lorraine”でメジャー・デビュー。このたびニュー・アルバム『ROYAL ETERNITY』をリリース。

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