イマドキの女の子にとっては、歌もダンスもDJもファッション感覚で楽しむもの! そんなセンスを発信する5人組が、武者修行を経て辿り着いたネクスト・ステップ!

 光り輝く存在になるように。そんな願いを込めて2012年5月に結成されたダンス&ヴォーカル・グループ、Carat。活動を始めた当初は14歳のメンバー(Rena)もいたため、「アイドルチックなことをやっていた」(Risa)そうだが、メンバーにDJがいるというユニークな編成を活かすため、ビートを強調したサウンドに軌道修正。そうして生まれたのが2013年のファースト・アルバム『1ct』だった。

 「Monaちゃんがいるからこそ出せる音を使おうと。で、『1ct』に入ってる“Dramatic Love”や“C.A.R.A.T”ではMonaちゃんのスクラッチを入れて、私もラップに挑戦したんです」(Risa)。

【参考動画】Caratの2013年作『1ct』収録曲“C.A.R.A.T”

 

 MonaはDJでありつつ、歌もダンスも他のメンバーと同様のスキルでこなすのがスゴイところ。そこもCaratの特徴だ。

 「〈え、踊るの?〉って言われることが多いんですけど、DJはブースにいないといけないっていうルールもないわけで。前に出て踊ったり歌ったりして、Caratにしかできないことをこれからも特徴にしていければ」(Mona)。

 そんな彼女たちに〈事件〉が訪れたのが、2014年夏。影響を受けたK-Popのダンスやヴォーカルを特訓しようと5人だけで韓国を訪れ、10日間の合宿をしたのだが、それがまさに地獄の日々。レッスンのたびに「帰れ!」「あなたの居場所はない!」とキツいダメ出しを受け、身も心もボロボロになったという。

 「もうプライドもズタズタ。みんな毎晩のように泣いて。正直、それまでは自分たちのなかで甘えがあったと思うんです。でも、このままじゃダメだって全員気付かされた。あの10日間を乗り越えられたからこそ生まれた絆とか勉強になったことが本当にたくさんあって、Caratの大きな一歩だったと思います」(Risa)。 

Carat Heart Break フォーライフ(2015)

 そうしてひと皮剥けたCaratのメジャー・デビュー・シングル“Heart Break”は、ヒップホップとポップスがクロスオーヴァーしたキャッチーなダンス・チューン。失恋ソングだが、前述の韓国エピソードを聞くと、〈生まれ変わる/次へのステップ〉という歌詞は自分たちのことを歌っているようにも思える。

 「ラップもあって、DJの要素もあって、ダンスも激しくて。いまのCaratを象徴してる曲だと思います」(Risa)。

 「サビでは彼氏を忘れようと強がる女の子の気持ちが出ていて。イマドキの女の子はこういう歌詞が好きだと思うから、ぜひ聴いてほしいです」(Rena)。

 2曲目の“Fake Love”は、スリリングな恋を求める女性を歌ったEDM調のナンバー。3曲目の“Love Potion”は、恋の駆け引きを楽しむ誘惑系女子ソングと、カップリング曲ではセクシーでコケティッシュな面を覗かせる。

 「“Fake Love”は、“Heart Break”に比べるとちょっと精神年齢が上。〈私たちが歌って大丈夫かな?〉みたいな歌詞だし、ダンスもゴリゴリに踊ってて、〈お客さん、引かないかな?〉っていうくらいカッコイイ曲です」(Rina)。

 「最初、“Love Potion”の歌詞がピンとこなくて。恋の駆け引きっていうのはわかるんですけど、したことないし(笑)。でも、リズムが良いのでこの曲は好きだし、歌っていくうちに歌詞の内容がわかるようになればと思ってます」(Yume)。

 「“Heart Break”と“Fake Love”はヒップホップな踊りだけど、“Love Potion”は如何に美しくセクシーに見せるかっていうパフォーマンスに挑戦した初めての曲なんです。そういう新しい一面を見てもらえたら」(Risa)。

 時に激しく、時にしなやかに。そんなダンス・パフォーマンスを全面に打ち出しつつ、等身大の恋愛観をポップかつキュートに表現するCarat。ゆえに、自分たちと同年代の、10~20代の女性に特に聴いてもらいたいという。 

 「〈音楽はファッション〉っていうテーマを掲げているので、例えば学校に行く時とか、ふとした時にファッション感覚で聴いてもらえる音楽をやりたいなと思ってるんです。あと、発信者っていう意味で、自分たちで〈ジェネレーター〉っていう言葉を使っていて。アイドルとかアーティストっていう概念に囚われない、〈Carat〉というジャンルを築きたいと思っているし、そのためにこれからもどんどん新しいことに挑戦していきたいと思ってます」(Rina)。