傑作しか出さないローラ・マーリングの5作目。もちろん今回もだが、聴いた印象が前作や前々作とだいぶ異なるのは、珍しくアレンジに幅を持たせているから。特に、削ぎ落とされた最小限の音からも凄味が伝わってきた前作に比べるとずいぶん開放的で、バンド・サウンドで歌われた曲などはロック・ファンにも支持されそう。歌自体もいつもよりリラックスしていて、彼女が新しい場所に向かって歩きはじめたことがわかる。