万感の思いを込めて送る、結成3年目の初アルバム! 

 声優とアイドルの両方を軸に2012年から活動し、〈アニサマ〉〈TIF〉といった大舞台も経験してきた6人組、i☆Ris。メンバー全員が主要キャストを務めるアニメ「プリパラ」でブレイクするなか、この初フル・アルバム『We are i☆Ris!!!』は、その輝きを凝縮した名刺代わりの一枚に。

i☆Ris 『We are i☆Ris!!!』 DIVEIIentertainment(2015)

 「今回は制作の段階からメンバーの意見を採り入れてくださったので、収録曲や曲順までこだわりました。タイトルも自分たちで考えたんですけど、最初からこの一択しかなくて(笑)」(芹澤優)。

 初々しくも懸命な歌声が心を昂ぶらせるデビュー曲“Color”や、永井ルイによるブリティッシュ・ロック趣味全開な“§Rainbow”、「プリパラ」の主題歌“Make it!”といった代表曲を含め、彩り豊かな11色のピースが並ぶ本作。なかでも、3組に分かれて各自の個性を発揮したデュエット・ソングは聴きどころです。まず、リーダーの山北早紀と澁谷梓希が歌う“Believe in”は、R・O・N提供のスピーディーなロック・チューン。

 「いままでのi☆Risになかったようなゴリゴリのロックで、これまでと違うカッコイイ部分を見せられるのがすごく嬉しいですね」(山北)。

 共にバラードが得意だという茜屋日海夏と若井友希のコンビは、優しく手を差し伸べるような“流星”で友情を再確認。

 「歌詞もお互いが語りかけるような内容になっていて、友希ちゃんを感じながら、受け答えするように歌いました」(茜屋)。

 さらに芹澤 × 久保田未夢ペアは“Love Magic”でラヴリーな魅力を徹底追求。

 「他のペアは背伸びしてる感があるので、私たちだけあえて子供らしく(笑)。ふたりの可愛さを詰め込んだ曲にしたかったので、なるべくアニメのキャラっぽく歌うことを心掛けましたね」(久保田)。

 そうやって六者六様のカラーが重ねられた本作を締め括るのは、夢に向かって共に歩む仲間との絆を描いたスロウ“ayatsunagi”。抜群の歌唱力に支えられたコーラスも息を呑むほど美しい、泣きの一曲に。

 「この曲のデモをいただいて、歌詞を見ながら聴いたときにホント涙が止まらなくて。私たちのこの2年間の思い出がバーッと出てきて。レコーディングも泣きながら、感情を込めて歌った曲です」(若井)。

 本作を携えてのツアー最終日には、自身最大規模のZepp Tokyo公演を控える6人。“Color”で歌った〈きっと飛べば空まで届く〉という思いは、この先どこまで飛翔するのでしょうか?

 「ようやく『プリパラ』で一歩踏み出せた段階ですけど、自分たちもi☆Risの未来がすごく楽しみだし、想像より遥かに良い未来が待ってるって思うようになりましたね。後ろを振り向かないで前を見ていきたいと思います」(澁谷)。