絵本「プチ・ニコラ」でお馴染みフランスの国民的漫画家でありイラストレーター、ジャン=ジャック・サンペ。本書は彼が30年に渡りカバーイラストを手掛けてきたアメリカの名門誌「The New Yorker」の仕事を約100点掲載したイラスト集。都会的で洗練されたタッチ、特に光の表現は全てを許す、ただひたすらの優しさがある。孤独と向き合い、受け入れつつも決してそれを不幸な事として描かず、ある種の達観をも見せてくれる世界観。押しつけがましさなど一切無く、観る者に一瞬でハッと気づきを与えてくれるその作品たちは、音楽でも写真でも映画でも表現し得ない、絵の尊さを感じさせる。