RZAらが客演した2012年のEP『Letur-Lefr』以降、創作意欲が無尽蔵に溢れ出ている感のあるジョン・フルシアンテ。かねてから打ち込みへのアプローチを実践してきた彼が、この新プロジェクトではバンド・サウンドの手法をかなぐり捨て、まさかのアシッド・ハウス化! ドラムンベースに接近するなど近年エレクトリックな方向へ進んでいたのは確かだが、そこには幾何かのロックな匂いもあった。しかし、今回ばかりは様子が違う。ビキビキ~ウニョウニョとシンセがのたうち回り、バンド時代のスキルが入り込む余地なしの完全な電子音楽なのだ。繊細な響きとプログレッシヴな展開に過去作との共通点を見い出せるものの、レッチリ期からのファンを置き去りにする大胆さ、潔さが痛快すぎる!