フライング・ロータス以降のLAビート・ミュージック・シーンに新風を巻き起こしたシュローモが新作をリリース。エレクトロニカをアップデートしたスタイルで、近年ではR&Bやトラップに影響されたヴォーカル作品も発表していた彼だが、本作ではインスト中心。持ち前の儚げなメロディーセンスはそのままに、ビート感を強くしている。ドラムンベースやブレイクコアの要素を採り入れたトラックはかなりキラー度高め。性急なビートの連打にハッとするような美しいフレーズを差し込んでくる様は、かつてのμ-ziqを思い起こさせる。そしてUKっぽい陰鬱なロウビートでズブズブにハメられた後、ラストにやってくる“Beams”の開放感が半端ない。アルバムとしての劇的な構成にもヤラレます。