ELLE KING Love Stuff RCA(2015)

ソウルフルでハスキーな歌、ド迫力のヴィジュアル、そしてガレージ・ロックやブルース色の濃い演奏……と、アラバマ・シェイクス指数高めの新人歌手。レトロ感もあるんだけど、どこか新しいな~と思ったら、マーク・ロンソンらがプロデュースに関与していた! ブレイクの予感がビンビンする処女作だ。

 

 

HOUNDMOUTH Little Neon Limelight Rough Trade(2015)

アラバマ・シェイクスと同じくラフ・トレードジェフ・トラヴィスに見い出され、彼女たちの前座も経験している4人組。オルタナ・カントリーの系譜に属するような音を作っているのだが、このような作品がラフトレから出るというのも、マムフォード&サンズらの流れとリンクしているようでおもしろい。

 

 

KILL IT KID You Owe Nothing Sire(2015)

 UKブルース・ロックの新世代で、言うなれば〈ポスト20-20s〉といった感じか。ホワイト・ストライプス経由でブルースにハマったという彼らが鳴らすのは、グランジ回帰ムードも纏ったハードな音。ワン・リトル・インディアンからのEPヒットを受け、この初アルバムでメジャー・デビューを飾ったばかりだ。 

 

 

JD McPHERSON Let The Good Times Roll Rounder(2015)

オクラホマの自作自演シンガーによる2作目。ロックンロールに傾倒したサウンドをベースとしていて、リヴァーブの効いたギター音やまっすぐなヴォーカルが50年代のロックンローラーを思わせるが、当人はリトル・リチャードなどと同時にピクシーズにも多大な影響を受けてきたというから興味深い。 

MY OWN HOLIDAY Reason To Bleed Eclecto Groove/BSMF(2015)

2枚の自主盤を経て本作で全米デビュー。ギター&ドラムス編成のブルース・ガレージ・デュオということもあって、ブラック・キーズを思い出さずにはいられない。フロリダ~シカゴ~カリフォルニアと拠点を変え、タフな環境で腕を磨いてきたからか、20代ながら妙に貫禄があり、スロウ曲での深みが凄い。

 

 

THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION Freedom Tower:No Wave Dance Party 2015 Mom+Pop/ソニー(2015)

オールドタイミーなブルースをヒップホップ世代のオルタナ・ロックに橋渡しした重要グループ。彼らが後進のガレージ系バンドの指標となったことは想像に難くない。アラバマ・シェイクスの2作目とほぼ同時期にこの復帰第2弾が登場したのは、偶然か、必然か。