全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論神聖かまってちゃんクリープハイプceroKANA-BOON、洋楽ではストライプスチャーチズといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は5月度の邦楽編です!!

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今回はタワーレコード新宿店にて行われたタワレコメン会議。洋楽編のミーティングに続き、邦楽担当の腕利きバイヤーたちがオススメのアイテムを持ち寄り会議室へ集まります。何百タイトルという山のような新譜のなかから選ばれた計7作品の音源を聴き比べながら、熱い議論が繰り広げられました。そんな厳しい予選を勝ち抜いて5月度のタワレコメンに決まったのは……以下の3タイトル!!

 

★2015年5月度〈タワレコメン〉邦楽編:選出アイテム

 

シンリズム NEW RHYTHM Ano(t)raks/FAITH(2015)

Mikikiのインタヴュー記事もヒット中の現役高校生ポップ・マエストロ、シンリズムの初全国流通盤となるファースト・アルバム『NEW RHYTHM』が、全国のスタッフからの圧倒的な支持を集めてタワレココメンに! 作詞/作曲/アレンジから楽器演奏までこなす彼が紡ぐのは、渋谷系シティー・ポップAORフュージョンボサノヴァなどの影響を消化した、その年齢からは想像もつかない洗練された珠玉のポップス。けれど10代ならではの瑞々しい感性も息づいていて……今後の日本のポップ・シーンを背負って立つ天才の第一歩をお見逃しなく!

【推薦コメント:渋谷店 宇野】

17歳のポップマエストロ!
1997年生まれ現役高校生のシンガーソングライター、シンリズムが待ちに待ったデビュー!
まばゆく瑞々しい、そして渋谷系を彷彿とさせる10代とは思えない新世代ポップ・ミュージック。ceroミツメなどのインディー・ポップ・リスナーはもちろん、フリッパーズ・ギターキリンジKIRINJIを聴く世代にも是非聴いてほしいアーティストです。

 

 

 

never young beach YASHINOKI HOUSE Roman/Bayon production(2015)

 早耳さんの間ではネバヤンの愛称で知られる〈西海岸のはっぴいえんど〉ことnever young beachが、Yogee New Wavesを擁するRoman Labelからドロップしたファースト・アルバム『YASHINOKI HOUSE』。2014年結成の新しいバンドながら、バイヤーたちは本作に対するシーンの期待感をヒシヒシと感じていた模様で、推薦者以外のスタッフも〈これは絶対プッシュするべき!〉と熱弁をふるっていました。どうでもいいけど、ユルめのアンサンブルにちょっぴり若き日の細野晴臣を想わせるテナーと日本語詞が耳に残る“どうでもいいけど”は何度も聴きたくなっちゃいますね。

【推薦コメント:梅田大阪マルビル店 尾田】

never young beach、メチャいいッスよ。個人的にお付き合いのあるneco眠るの 森君に飲み屋で呟かれたのが最初。名前は聞いたことがあったがその一言で興味は加速。しかも、それが私的2014年のベストディスクのひとつに選んだ Yogee New Wavesと同レーベルってんだから放っておく訳なし。いろいろ調べると、バンドのキャッチコピーに〈西海岸のはっぴいえんど!〉なんてことが書いてある じゃないか! 気になり度K点越えの素晴らしきキャッチ。とにかく、いろんなセンスの良さが重なりまくったバンド。今回ほど何の躊躇いもなく投票したタワ レコメンは初なんだな。

 

 

 

NOT WONK Laughing Nerds And A WALLFLOWER KiliKiliVilla(2015)

 会議の時点ではインターネットで確認できる情報が少なかったものの、〈とにかく新しくてヤバい!〉とのアツいプレゼン&オフォスに爆音で響き渡る決定的に何かがフレッシュなパンク・サウンドで、見事タワレコメンを勝ち採ったのが苫小牧の3ピース・バンド、NOT WONKのファースト・アルバム『Laughing Nerds And A WALLFLOWER』。インディー・シーンの胎動として兆候を見せつつある〈新しいパンク感〉を帯びた本作は、そのシーンの中心となりそうな元銀杏BOYZ安孫子真哉が主宰するレーベル=KiliKiliVillaから登場。会議では、UKメロディック・パンク史における重要バンド、メガ・シティー・フォーの名前も飛び出しつつ、既視感を回避したブランニューなパンク・ナンバーでスタッフに衝撃を与えていました。

 【推薦コメント:本社 中村】

古いとか新しいとか、そんな概念を全部覆す傑作が誕生。
この何か月か、NOT WONKというワードを聴かない(見ない)日がないぐらい話題はNOT WONK一色でした。
懐かしく感じてもこれはきっと誰も見たことの無い景色。
苫小牧から発信する3ピースがイマ一番あちー。

 

 
ということで、それぞれのスタイルでシーンに新しい風を吹かせそうなニューカマーたちの作品が揃った5月度の〈タワレコメン〉邦楽編。アイテムはすべて発売済みですが、入荷状況は店舗により異なりますので気になる方はお近くのショップへお問い合わせください。次回は2015年6月度のレポートを掲載する予定なのでお楽しみに!