パンク時代の最中に活動を開始しながら、その立ち位置は最初からポスト・パンク的であったワイアー。過去の曲のマテリアルを再解釈した前作から2年ぶりとなる今作は、コリン・ニューマンが持ち込んだ曲をバンドで形にするという手法で作られ、全体の構成はシンプルなものとなった。抑揚のあるメロディー、機械的とも言えるほど淡々としたリズム――セルフ・タイトルを冠したのも納得の、持ち味が十二分に発揮された一枚。