100%シルクで二枚看板を張るアイタルと共にミ・アミとしてグニャグニャの奇形ダンスを繰り広げる傍ら、ヨナス・ラインハート名義ではシンセの浮力を存分に用いた宇宙遊泳を愉しむモダン・コスミッシェを創作——そんなデーモン・パレルモによる異色のハウス・プロジェクトがついにアルバムをリリースした。ソウルフルなヴォーカル、サックスやピアノの華美な装飾、フロア直球のダンス・ビートといった、90年代に都会の夜を彩った黄金期ハウスの輪郭を有しながら、そのどれもがどことなく過剰で、望み通りの心地良さを超えてちょっと盛られたような……行き過ぎなんだけど超絶気持ちええ……みたいな、まるで夢のなか特有の大袈裟な演出みたいに鳴り響く。歪んだハウス愛がポップに実を結んだ最高記録!