BBCの例のリストに載り、Pitchforkなどのメディアも絶賛する弱冠20歳がXLからデビュー。90年代ハウス調の楽曲と、アジーリア・バンクスを思わせるラップが軽妙な“On The Regular”をはじめ、DFAあたりを思わせるディスコ・パンクからR&B、プリンス、エレクトロまで、インディー界隈好みのさまざまな要素をかき集めてイマっぽく配合したような内容。にもかかわらずオリジナルな存在感を放つのは、両性具有な歌声の魅力によるところも大きいのだろう。テイラー・スウィフトの存在とその曲の良さに憧れて音楽を始めたという変わり種ぶりは、唯一のスロウ“Darker”やシークレット曲での訥々とした弾き語りに顕著。いろいろ纏ったハイプを剥がしても、強度の高い良曲を紡げる才能が地金に光っている。