昨年12月で600回を迎えた〈紀伊國屋寄席〉。その名演の数々が待望のCD化! 〈江戸落語の粋な芸を継承してきた看板・新鋭の落語家たちによる名演・十八番を収録したCDシリーズ〉として今後リリースされるとのこと。どの名演がCD化されるのか今から楽しみでなりません。そして今回とりあげるのは、菊之丞師匠。初心な若旦那の時次郎が登場する「明烏」は〈お役者様〉と呼ばれる師匠にぴったりのネタ。一方の「夢金」は、師匠らしくないと言われるネタですが、いやいやどうして。〈しんしんと雪が降り積もる冬の情景〉を美しく描いて見せてくれる。これほど品のある夢金はなかなか聴けません。