80's愛に満ちたレトロ・フューチャーなエレクトロで本国フランスはもとより、UKや日本の高感度な人たちからも支持を集めたヴァレリーズ(現在も活動中)一派。かつてはそのコレクティヴの一翼をカルフォニアから担ったキーンハウスが、自身のレーベルからサード・アルバムをリリースした。SF/レトロ・フューチャーというコンセプトこそ不変だが、今回は煌びやかさが影を潜め、弦楽器や金管楽器を取り込んでジャズ、クラシック、アンビエントに比重を置き、トリップ感と瞑想的な美しさが交差する不思議な音を構築。エンディングに用意された11分に及ぶ《Swim》でその独自の世界観はクライマックスを迎える。