トラペットの方のアヴィシャイ・コーエンの妹であり、3兄弟でのグループでの演奏でも注目を浴びるアナット、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤では度肝を抜かれ、長く愛聴する作品となった。モダンジャズ以降のクラリネット奏者の中では、傑出したテクニックと幅広い表現領域、さらにハイテンション・ゾーンでの圧倒的なエネルギー量は、レディース・ジャズのイメージを変えてくれた。本作ではリリカルな面や、ややブラジル的な面も含めてまた、新しい局面が表現された。一流のゲストプレイヤーたちの参加も含めて、彼女のさらなる可能性、世界の広がりが証明された1枚。