バイエルもしくはツェルニーから、ゴンザレスへ―。触れるもの皆エンターテイメントへと変えてきた、天才音楽家チリー・ゴンザレス。エレクトロの帝王ボーイズ・ノイズとのコラボユニットOCTAVE MINDSではクラシックとダンスミュージックに調和を齎し、室内楽による歴史的名盤『チェンバース』を経て、改めてピアノへと腰を落ち着けたかに見せかける最新作は『ソロピアノ』シリーズを軽々飛び超え、「誰もが楽しく弾ける」という画期的な機能性までも携えた、稀代のエンターテイナーであり現代史上最高の作曲家による初心者向けピアノ練習曲集。ちなみに楽譜が無料ダウンロード可能。ちなみに大傑作。

高野直生(タワーレコード渋谷店)
intoxicate 2015 August


もしもピアノが弾けたなら……なんて思っている人に朗報! 〈弾いても聴いても楽しめる〉をテーマに、演奏のコツと楽譜まで付いたゴンザレスの新作だ。音数も少なく技術もさほど必要ないのに、その調べには情緒があって、改めて彼の才能を思い知らされる。また、各曲がニーナ・シモンプリンスなどに捧げられており、その対象を想像しながら聴くのも一興かと。エリック・サティが好きならマスト!