最近〈歳だな〉とか言ってしまうことが多い私。
身体の衰え的なところも含め、年齢を感じずにはいられないことがここ1~2年で激増しています。オリンピックとか甲子園的なもののみならず、人が泣いているのを見るだけで(すぐ泣く系の芸能人は除く)、さめざめともらい泣くことも多々。同じように、年々スムースな音楽に心を奪われるようになっています――歳とか衰えのくだりは全然不要でしたね。

そんななか、最近目が離せないのがメイヤー・ホーソーン
これまでオリジナル・アルバムを3枚リリースしていて、彼のルーツにあるAORブルーアイド・ソウルを、ヒップホップなどを経由して鳴らした楽曲……という点で毎度そこまで大胆な変化はないのですが、昨年リリースされた最新作『Where Does This Door Go』がこれまで以上に私の心を鷲掴みにしたのです。外部プロデューサー陣のせいかな、ジャケのせいかな。

若干ロビン・シックに顔ではなくシルエットが似ているので、たびたび見間違うこともありますが、ロビンよりメイヤー派(顔ではなく)!

そんなメイヤーさん、最近おもしろい試みに取り組んでいます。
ひとつは、先日の〈レコード・ストア・デイ〉のタイミングに合わせて坂本慎太郎さんとカヴァーのし合いっこ(互いの曲を、詞を変えてカヴァーし合う)をするという、オシャレな試み。坂本さんの“幽霊の気分で”を気持ち良く歌い上げてらっしゃいました。オリジナルを聴いて頭に描いたアンニュイでアブストラクトな景色は、メイヤーのような〈エエ声〉系の歌声に切り替わるとより現実味を帯びるのが不思議です。

さらに彼は、高校の同窓生だというトラックメイカーの14KTジェイデッド・インコーポレイテッドなるユニットを結成。こちらは80年代初頭のポスト・パンクニューウェイヴ、90sのデトロイトにおけるレイヴ・シーンにインスパイアされた音楽を〈ビートウェイヴ〉と称し、チープなリズムマシーンのビートを敷いたニューウェイヴィーな楽曲を発表しています。もうすぐアルバムが出る……という記事もありましたが、その後どうなったのでしょうか。

また、メイヤーとジェイク・ワンのユニットだと噂されているタキシードもまたカッコイイんです! 昨年さらっとEPがリリースされたのですが、スムース好きとしてはやはり、こちらのブギー路線がお気に入り。イイね~イイね~。

遊び心に溢れる大人って、本当に素敵だなと思います。